大腸内視鏡挿入法のヒント⑥ 腸管の走行を都合よく変化させよう

大腸内視鏡挿入法上達のヒントとして、スコープを使って腸管の走行を都合よく変化させることについて本ページでは説明する。

以下の記述は『理屈コネ太郎』の管見による私見である旨を銘記のうえ読み進めて下さい。

S状結腸において特に顕著だが、画面に見える内腔を追いかけるだけでは、腸管を伸ばし、あるいはループを形成してしまい、盲腸までの到達に無駄な時間と手間を割くことになる。

ではどうするか。

腸管走行を検査に都合がよくなるように、内視鏡を操作して腸管走行に介入するのである。理想的には直腸S部からSDJunctionまで腸管が直線になるように介入する。

これには色々な考え方がある。屈曲を超える前に直線化を試みる考え方と、屈曲を超えてから直線化する考え方。『理屈コネ太郎』は患者に苦痛を与えなければどちらでも構わないと思う。

ただし、経産婦はS状結腸への操作で、骨盤内臓器同士の癒着などにより疼痛を訴える場合がある。こうした場合は、鎮静を用いて少しでも楽になるような工夫が必要かも。

新人内視鏡医がよく誤解しているのは、軸保持法の先輩医師は毎症例で直線化に成功している…ということ。トップクラスの内視鏡医にこういうい人はいるかも知れないが、平均的な内視鏡医が全症例直線化できているかというと、そういうわけでもない。

『理屈コネ太郎』も直線化できないことなど頻繁にある。要は、患者に苦痛を与えず出来るだけ短時間に盲腸に到達する事が大切なのだ(本ページではあくまで挿入法についてのみの話しをしている)。

直線化や軸保持はそのための手段というか考え方に過ぎない。そこに必要以上に拘りすぎると上達の速度を緩めてしまう事もあるので要注意。

今回は以上。

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